2009年横浜ベイスターズ総括

我がベイスターズは、去年も弱かったですが、今年も負けずに弱かったですね。二年連続90敗って44年ぶりらしいですよ。せっかくなので今年の総括をしてみます。
2年連続90敗…横浜

2年連続90敗以上は、1964、65年の近鉄以来、3度目。球団でも、2度目の屈辱となった。

おなじ90敗でもいろいろと違うところもあるので、去年と今年の90敗同士で比較してみます。

2008年の成績

  • 48勝94敗2分 勝率.338
  • 打率  .266(3位タイ)
  • 得点  552(4位)
  • 失点  706(6位)
  • 本塁打 145(2位)
  • 防御率 4.74(6位)
  • 盗塁  37(6位)
  • 失策  61(1位)

投手力は壊滅的。慢性的に走れないチームながら、首位打者とホームラン王がいたこともあり打線は悪くない。失策数リーグ最小が光ります。

2009年の成績

  • 51勝93敗0分 勝率.354
  • 打率  .239(6位)
  • 得点  497(6位)
  • 失点  685(6位)
  • 本塁打 128(3位)
  • 防御率 4.35(6位)
  • 盗塁  51(6位)
  • 失策  99(6位タイ)

どこが悪いってすべてが悪い。投手力、打力、守備力のほぼすべてで最下位。失点は21点減っていますが、得点が55点も減っているのでマイナス。唯一本塁打は3位ですが、去年と同じで得点に結びついてません。石川のレギュラー定着と吉村のおかげで盗塁数は多少良くなったもののヤクルトの半分とまだまだ少ない。一番痛いのは、失策数。去年の1位の少なさだったのに1.5倍に増加し最下位にまで落ちたのは負けに直結してます。タイムリーエラー多かったですからね。これで最下位にならない方がおかしいぐらい。

  • 今年の出来事を簡単にまとめると。
    • WBCの熱狂と歓喜の代償に、村田の怪我でスタートした横浜。ただでさえ弱いのに開幕から4番がいないってのはものすごいハンデ。開幕から中日、巨人で球団タイ記録の開幕6連敗を喫しました。
    • 大矢監督は交流戦前に休養(事実上の更迭)を言い渡され、田代監督代行に交代。最初はそこそこだったものの根本的な部分は変わらないので 5割勝つ→連敗→5割勝つ→連敗→… の繰り返し。交流戦が6勝18敗と去年とまったく同じ勝ち星だったため借金は増える一方でした。
    • 結局、一度も5位にすらなれず、ずーっと最下位のままシーズン終了。むしろデータで比較してこれだけマイナス要素が多かったのに、よく去年より勝てたものです。

ここからは選手ひとりずつの個別の評価でもしてみます。(やや辛口)

赤い文字は今年限りで退団が確定している選手です。

投手の成績とコメント ※一軍登板があって登板回数の多い順(全員ではない)

  • 三浦大輔  《28試合 195.1回 11勝11敗 防御率3.32》
    • リーグトップの6完投はたいしたもの。しかし、2年連続「被本塁打王82失点で「失点王」。巨人に勝てないという呪いは未だ解けず。
  • グリン 《23試合 118.0回 3勝15敗 防御率5.11》
    • 去年のウッドの再来(ウッドは3勝12敗4.69)で当然リーグ最多敗。この防御率じゃ援護がないとか言い訳できない
  • ウォーランド 《21試合 110.2回 5勝10敗 防御率4.80》
    • ドロンと落ちるカーブが持ち味。巨人キラーになれるかと思われたが後半失速。ケガもあり退団
  • 吉見祐治 《27試合 88.1回 3勝4敗 防御率4.28》
    • 前半は中継ぎ、後半は先発で便利に使われた。結局どっちで使う方がいいのか。果たしてもう一度二桁勝つ日は来るのか
  • 寺原隼人 《13試合 83.0回 2勝7敗 防御率3.90》
    • 先発に戻されるも不調。中盤から移籍前のケガ体質が復活し、ほとんど働かず。
  • 高崎健太郎 《56試合 74.0回 4勝0敗1S 防御率4.01》
    • 中継ぎとしては真田に次ぐ試合数に登板。波はあるもののセットアッパーとして仕事を果たした。できれば先発でも見てみたい。
  • 真田裕貴 《68試合 66.1回 5勝4敗 防御率2.98》
    • 得意のシュートだけでなく、ストレートの威力が増していた。勝っていても負けていてもひたすら投げ続けた。このチームでこれだけの試合数を投げて防御率2点台というのは奇跡に近い
  • 小林太志 《12試合 66.1回 1勝8敗 防御率4.48》
    • ローテーション投手として二桁勝利を期待されるも、二年目のジンクスであわや二桁敗北
  • マストニー 《15試合 61.2回 1勝5敗 防御率5.69》
    • もともと中継ぎとして獲得したのに、先発としてへたに結果を出してしまったものだから負けまくってしまった。本人としては災難
  • 山口俊 《51試合 55.0回 5勝4敗18S 防御率3.27》
    • 中継ぎで月間MVPを受賞。抑えとしては劇的なサヨナラ負けを何度かくらうが、ようやく安定しつつある。大魔人二世の期待をこめて我慢して使うしかない
  • ランドルフ 《8試合 55.0回 5勝2敗 防御率1.96》
    • 8月に加入したのに実質2完封。防御率1点台。中日や巨人から勝てるのが何より大きい。真の助っ人外国人と言える成績を残す。横浜の救世主になりうる存在
  • 工藤公康 《46試合 37.1回 2勝3敗 防御率6.51》
    • 最初は先発、4月末から中継ぎに転向。優勝請負人も優勝できないまま去ることに。現役続行を希望して退団(自由契約
  • 藤江均 《9試合 37.1回 0勝4敗 防御率6.51》
    • 二軍で最多勝という実績をひっさげて終盤上がってきたルーキー。一軍と二軍との差を思い知らされながらも多少希望が見えた。来季はともかく将来的には期待できる
  • 木塚敦志 《43試合 31.2回 3勝2敗1S 防御率4.83》
    • セットアッパーとして途中まで良かったものの、後半息切れ。
  • 加藤康介 《31試合 29.1回 1勝0敗 防御率3.68》
    • 今年からトライアウト入団。今年存在感があったほうの加藤奪三振率が高く貴重な左の中継ぎとして一時期は勝利の方程式(みたいなの)に組み込まれるほど活躍した。しかし、終盤に肩の故障で離脱し戻ってこなかった…来季は活躍してくれる…はず
  • 石井裕也 《28試合 25.1回 0勝6敗6S 防御率4.26》
    • 序盤は抑えとして起用。報道ステーションで特集を組まれるぐらいの活躍もしたが、劇的なサヨナラ負けを何度か喫して途中から中継ぎに降格。最後まで去年のピッチングは戻らず、二軍と一軍を行ったり来たりの生活
  • 吉川輝昭 《10試合 18.2回 0勝3敗 防御率11.57》
    • 終盤に先発の機会を与えられるも結果を残せず。自由枠の投手だがそろそろ崖っぷち
  • 那須野巧 《12試合 7.0回 0勝0敗 防御率11.57》
    • 中継ぎに戻された今期は、対左のワンポイントとして使われるも結果が残せず、ずっと二軍暮らし。5億の元はもう取れないのか?
  • 桑原謙太朗 《11試合 30.2回 0勝0敗 防御率1.76》
    • 途中まで中継ぎ、終盤先発。グリンより桑原を最初から先発にしとけば…来季は最初から先発で。
  • 松家卓弘 《9試合 15.2回 0勝1敗 防御率4.60》
    • 東大出身でこのまま消えてしまうかと思われたが。終盤に実力で一軍に上がってきた。来季は期待できそう。
  • 横山道哉 《14試合 15.0回 0勝0敗 防御率4.80》
    • 去年の功労者も今年はケガのため投げられず。今年で引退してフロント入りが内定
  • 高宮和也 《11試合 8.0回 0勝1敗 防御率4.50》
    • 終盤に上がってきてから左キラーとしていい仕事。(対左被打率.188)来季は期待できる
  • 牛田成樹 《4試合 6.0回 0勝0敗 防御率10.50》
    • 毎年期待されるも結果が出ない。そろそろ崖っぷち
  • 小杉陽太 《1試合 6回 0勝1敗 防御率3.00》
    • ルーキー。消化試合のおためし登板でそこそこの結果を残す。まだまだこれからの投手。

野手の成績とコメント ※一軍で出場して試合数の多い順(全員ではない)

  • 吉村裕基 《144試合 .248 16本 54点 盗塁13》
    • 良かったのはフル出場のみ。三振数が2位なのにホームランが半減。打順をいじられたのもあり、最後まで去年の調子を取り戻せなかった。
  • 石川雄洋 《134試合 .242 2本 24点 盗塁19》
    • 初の規定打席到達。琢朗の後継者としては物足りなさすぎる。石川については後述
  • 内川聖一 《132試合 .318 17本 66点 盗塁1》
    • 開幕4番で悩んだ時期もあったが、最後は首位打者を争うぐらいまで復調。ホームラン17本中15本がソロと、脅威のソロ率
  • 藤田一也 《120試合 .269 4本 20点 盗塁6》
    • 5打数5安打を経験し打撃に自信がついた。今年、一番成長したかもしれない。走塁技術を磨いて、たくさん盗塁できる選手になって欲しい
  • 金城龍彦 《118試合 .282 9本 34点 盗塁1》
    • ベテランと呼ばれる年齢になり、若手を育てるために松本や下園のすみに追いやられつつも代打で結果を出す。終盤は一番センターのスタメンで活躍した
  • ジョンソン 《117試合 .215 24本 57点 盗塁0》
    • 四球が多く出塁率が高いのが特徴のホームランバッターで、ウッズ以来の外国人打者20ホーマーを記録する。村田がいない間に慣れないサードを守ったりしたが、最後まで打率が上がらず解雇。人柄は良かったが…
  • 佐伯貴弘 《114試合 .258 12本 55点 盗塁1》
    • またも外国人打者との(低レベルな)ファースト争いに勝利。佐伯が代打の切り札になるような選手層のチームにならなければ
  • 村田修一 《93試合 .274 25本 69点 盗塁0》
    • 故障泣かされたシーズン。故障をしないのも当然だが、もっとチームリーダーの自覚を
  • 細山田武史 《88試合 .158 0本 11点 盗塁0》
    • ルーキーながら捕手として最も多くの試合に出場。しかし、低すぎる盗塁阻止率と打率はいかんともしがたく後半は二軍暮らし
  • 下園辰哉 《81試合 .258 6本 11点 盗塁2》
    • スタメンでけっこう使われた期待の若手。守備力は平均的だが、割と長打力もありバッティングは期待できる
  • 山崎憲晴 《69試合 .187 1本 8点 盗塁2》
    • 開幕スタメンでいきなり猛打賞を記録したルーキー。その後はプロの壁にぶち当たり二軍に落ちたが、将来性は抜群
  • 内藤雄太 《69試合 .253 5本 14点 盗塁1》
    • 下園と同じく期待の若手。代打起用が多かったが、下園より内藤の方が打球の飛距離では上。
  • 森笠繁 《62試合 .198 2本 11点 盗塁1》
    • 出場機会を求めて広島から金銭トレードで今年から入団。内川が居ないとき代役を務めたが、トータルの成績はイマイチだったため代打起用がメイン
  • 仁志敏久 《51試合 .159 0本 3点 盗塁0》
    • 打撃の衰えは著しく開幕からずっと打てない時期が続き、引退報道が出た。現役続行を希望して退団(自由契約
  • 武山真吾 《49試合 .242 0本 5点 盗塁1》
    • 正捕手と二番手捕手が流出し低レベルな正捕手争いの中、打てるという武器を活かして正捕手をつかみとった(っぽい)
  • 大西宏明 《44試合 .141 0本 6点 盗塁1》
    • 去年の活躍が何だったのかと思うぐらい打てなかった
  • 新沼慎二 《34試合 .159 1本 2点 盗塁0》
    • 一時は正捕手をつかみかけたが、ホームクロスプレー時のタックルでケガをして逃した。相変わらず打てない
  • 松本啓二朗 《22試合 .136 0本 1点 盗塁1》
    • 珍しくクジでつかみとったドラ1ルーキー。オープン戦で結果を残し開幕スタメンを果たすが、まったく打てず二軍落ち
  • 野口寿浩 《17試合 .211 0本 3点 盗塁0》
    • 相川の代役として高い金を出してFAで獲ったのに、盗塁阻止率0%、リードも打撃も精彩を欠き5月に二軍に落ちて戻ってこなかった。何のために獲ったんだか

明日以降に「2010年の展望(ベイがどうすれば勝てるようになるのか)」を書いてみます。